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目次 / 計算化学

GRRM Tips

GRRMプログラムの利用上の注意点など

Google Sites版から移植

【注意・免責】
記載されている内容はあくまでも参考程度にご覧下さい。掲載されている情報を利用したことに起因するいかなる損害についても、筆者は一切の責任を負いかねますので予めご了承下さい。また、個別の事例に関する相談や問い合わせは受け付けておりません。AFIR Webのメンバー向け掲示板のログ等をご参照下さい。

【よくあるエラー事例】

参考までに、エラー原因の発見難度(★が多いほどスタックしやすい)を独断で付けておいた。

.com内に要求メモリ量/コア数の指定が無い(★☆☆)

電子状態計算に必要なメモリ量が不足している(あるいは、指定されている値が過大でメモリを確保できない)(★☆☆)

.com内の要求コア数と計算ノードに投入したシェルスクリプト内の要求コア数が異なる(★☆☆)

.com内に不正な文字コードの改行コードが含まれている(★★☆)

%infile=xxx で指定した JOB名 xxx のファイルが無い/コピーされていない(★☆☆)

MO GUESS=xxx_MO.rrm などで指定した MO のファイルが無い/コピーされていない(★☆☆)

Gaussian以外のソフトウェアを用いる際に、電子状態計算ソフトウェア用のインプットや擬ポテンシャルなどが無い/コピーされていない(★☆☆)

電荷とスピン多重度の組み合わせが不正である(Gaussianの場合はGauJOB.logで確認可能)(★☆☆)

基底関数や汎関数、計算に用いる理論や手法の名前が不正である(Gaussianの場合はGauJOB.logで確認可能)(★☆☆)

基底関数が割り当てられていない or 基底関数の適用範囲外の(高周期な)元素が含まれている(Gaussianの場合はGauJOB.logで確認可能)(★☆☆)

ECP基底を割り当てる場合に、未指定 or 余計な元素がある(Gaussianの場合はGauJOB.logで確認可能)(★☆☆)

MC-AFIRやSC-AFIRで「Add Interaction」のセクションが無い、またはENDで閉じられていない(★☆☆)

MC-AFIRやSC-AFIRで「gamma」に負の値が指定されている(★☆☆)

MC-AFIRやSC-AFIRでFragm.やTarget原子などの番号に系の総原子数を超えた値が指定されている(★☆☆)

LUPの.com内の元素の順序がinfileした構造のものと異なる(★☆☆)

LUPなどでinfileしている構造ファイル(.logなど)の座標が不正(変な改行や空行がある、改行されていない、何故か原子が増えているor減っているなど)(★★☆)

DS-AFIRでReactantとProductの原子の数や順序が異なる(★☆☆)

"ganma" などの英単語のスペルミス(★☆☆)

Add Interactionセクションにgammaの指定が無い(★☆☆)

複数のFragmに同じ原子が指定されている

Add Interactionセクションにフラグメントpairの指定が無い(★☆☆)

値を指定すべきオプションに値が指定されていない、もしくは値の数が不足している(★☆☆)

【ハマるエラー事例】

まず、計算を流す時はエラーメッセージが残るようにしておこう。GRRMのエラーメッセージは単に「エラーが発生したことを知らせる」ものであって、「どこでエラーが発生しているか」までは分からないことが多い。例えば、bsubコマンドでシェルスクリプトを計算ノードに投入している場合、-oオプションで標準出力を、-eオプションで標準エラー出力を書き出すファイルを指定することができる。これを利用してJOBのエラーメッセージを残すようにしておけば問題解決のヒントが得られることがある。参考までに、エラー原因の発見難度(★が多いほどスタックしやすい)を独断で付けておいた。

LUP計算、ReSTRUCT計算などでinfileに失敗する(「No structure to be refined...」と出力される)場合(★★☆)

LUP計算、ReSTRUCT計算などでinfileに失敗する(「... not match any of the node structures ...」と出力される)場合(???)

error...
The input structure in the com file does not match any of the node structures along the initial path!
...exit from system...

LUP時に「The LUP program cannot read this InFile...」になってしまう場合(★★☆)

EQ_list.log に出力される構造の対称性の記述「SYMMETRY = 」の直後は半角4文字分の文字列が必要(★★★)

message_ERRORが無いにもかかわらず、GRRMが何の動作もせずにJOBが終了する(★★☆)

  1. 入力ファイルの中に不正な改行コードが含まれているとき

  2. .comの中身がGRRMのフォーマットに従っていないとき

  3. 特にSC-AFIR法の場合、ターゲット原子の番号が系中の原子数を上回っているとき

JOB名/path名が長すぎると変数として格納できずエラーになることがある(★★☆)

SC-AFIRなどの探索が瞬時に終了する場合(★★☆)

  1. 電子状態計算が異常終了した場合

  2. 初期構造のEQが「Not to be applied」になった場合

  3. 初期構造のEQに人工力を掛けて得られる構造が解離判定されている(DCとみなされている)場合

  4. 原子の番号が不正に指定されている(系中の原子数を超過している)場合

1. の場合はEQ0_MO.rrmが生成していないことから見当が付けられる。
2. の場合はEQ0_MO.rrmが生成しており、EQ_test.rrmが生成するので中を確認すればよい(Not to be applied になっている)。
3. の場合はEQ0_MO.rrmが生成しており、生成したEQ_test.rrmがTo be appliedとなっていれば大抵はこれが原因。2分子反応の探索だとデフォルトのDownDC=8が小さいことがあるので、DownDC=15程度(12程度で良いこともある)に増やして再度JOBを投げる。EQ0が「Not to be applied」になっている場合でも、DownDC の閾値に引っ掛かり、初期構造がそもそも解離判定されてしまっていることがある。GRRM20以降のバージョンであればUniversalForceの利用も検討されたい。
4. の場合も考えられるので、 .com の中身をよく確認すること。

Gaussian以外の電子状態計算ソフトウェアを利用する場合の注意(★☆☆)

SIESTAのSCF計算が収束しない(★☆☆)

.outの様子を監視しながら、なるべくSCFが収束するようにこれらの値を調節する。酸化物などの材料ではFermi-Dirac occupation function(FD)を主に用いる。Methfessel and Paxton occupation function(MP)を使うと特に金属材料のSCF計算の収束が速い。「ElectronicTemperature」(スミアリング温度)はFDでは実温度、MPでは高い温度(一般に数千以上の温度)を指定する。(参考: J. Kresse and J. Furthmüller, Comp. Mat. Sci. 6, 15 (1996))

【エラーではないが知らないとハマる(かもしれない)事例】

GRRMプログラムのインプット(.com)内のオプションは上から順に読まれるため、上の方に書かれたオプションの効果が下の方に書かれたオプションの効果によって打ち消される場合がある

【良くない例】
Options
GauProc=4
GauMem=200
EigenCheck
NOFC
・・・(省略)
【良くない例】
Options
GauProc=4
GauMem=200
NoFC
EigenCheck
SkipIRC
・・・(省略)

message_ERRORとmessage_LinkERRORの違い

計算のエラーではないmessage_ERRORについて

SC-AFIR法による探索が一向に終わらない

計算時間が異様に長い or 停留点付近でエネルギー/構造が振動して収束に時間が掛かる場合

多数のコア数を割り当てても計算が速くならない

RCMC計算の計算レベルは何でもよい

RCMCの計算結果は MINPath.rrm や sim.log に出力されているものを参照するようにする

GRRMにおけるLUP計算の.com内に記載すべき座標は、元素の順番がinfileするJOBと合っていれば何でもよい

LUP計算やDS-AFIR計算はプロセスを並列しても速くならない

LUPOUTt.logに出力されるLUP経路とPTn.logに出力されるパス

LUPで得られるパスが「同じEQを繋ぐパス」になってしまう

DC構造か否かはIRC計算により判定している

SC-AFIR法による探索で得られるPTの CONNECTION が ?? になる場合

MC-AFIRでEQが1個も出てこない場合

MC-AFIRや人工力を課したMINなどで「Could not find a reasonable initial minimum....」になってしまう場合

γの値が大きすぎるとどうなるか

JOBを中断するには xxx_message_STOP.rrm を作成すればよい

【要注意】FREQ計算のオプションにNOFCを付けると1点計算のレベルが "force" になる【Gaussian】

MaxOPTITR=0 とすればMINの # ITR. が0でJOBが終了する

MaxLUPITRには2種類の整数値を指定する必要がある

【GRRM20】FREQ計算(GRRMを介した1点計算)単体でギブズエネルギーを求める際は TS 、 Minimum の別によって固有値の取り扱いを変えるのが望ましい

GRRM内部のヘシアンの作り方はオプションの組み合わせによって異なる

GRRM内部の単位系は基本的に原子単位系(atomic units)である

ModelF(Lower)を用いている際に反応経路のエネルギープロファイルのピークが鋭い場合

デフォルトの原子とexternal atomsの原子との間には人工力は掛けられない

xxx_EQn_iPATH.rrm の中にglobalと出力されている原子ペアでは行けるところまで人工力を掛け続ける

全く同じinputで行った探索であっても結果は完全には一致しない

【その他】

・FREQ計算で得られるThermochemistryの値について

Thermochemistry at  298.150 K,    1.000 Atm
E(el)          =  -114.028691241420
ZPVE           =     0.026886845139
Enthalpie(0K)  =  -114.001804396281
E(tr)          =     0.001416284860
E(rot)         =     0.001416284860
E(vib)         =     0.026922793795
H-E(el)        =     0.030699553420
Enthalpie      =  -113.997991688000
S(el)          =     0.000000000000
S(tr)          =     0.000057577109
S(rot)         =     0.000025730302 (Symmetry number = 2)
S(vib)         =     0.000000139497
G-E(el)        =     0.005819857897
Free Energy    =  -114.022871383523

・人工力の掛け方とGammaの値について(AddUniversalForceなど)

AddUniversalForce(InterOnly) = xxx
UniversalForceTarget = x,y,z,..               ←フラグメント①
UniversalForceTarget = a,b,c,...             ←フラグメント②

・反応経路の名称について

AFIR経路・LUP経路・IRC経路とポテンシャルエネルギー曲面の模式図

・LUP法について

・RePATHについて

・DS-AFIR法について

・RCMC法で取り扱われる「超状態」について

このように、異性体間の相互変換と一口に言っても、そのタイムスケールのオーダーには大きな隔たりがある。

・RCMCのオプション

反応経路探索においてRCMC法による速度論ナビゲーションを適用する

# SC-AFIR/B3LYP/6-31G


0 1
C    -0.095991665990     -0.805920219678     -1.909605178596
C     1.003042582222      0.007791291679     -1.162100889303
C     0.054683679530     -1.815448255552      0.414734148105
C    -0.671790672469     -1.925880237105     -0.972941136035
H    -0.891854411127     -0.132592282669     -2.246101515377
H     0.335331933023     -1.284696563208     -2.797262382989
C     1.579744825132     -2.068588797031      0.188069891075
H     2.084655140290     -2.028382746599      1.159450088938
H     1.713566709445     -3.071315815606     -0.222791688765
C     0.393623953298      0.547757893549      0.118764128484
H     0.385994343773      1.610653441103      0.341265889646
C    -0.109898022312     -0.398237424783      0.929485860235
H    -0.574516982573     -0.196215925027      1.889560359180
H     1.386499666732      0.804627363119     -1.807109576007
H    -0.367877013576     -2.564591361828      1.088216420802
C     2.146400520222     -0.985909265091     -0.776567556415
H     2.540375003024     -1.448643202530     -1.690084899123
H     2.969369577404     -0.433495751899     -0.309933564380
O    -0.320111152018     -3.257151628977     -1.478464255539
H    -0.784041061920     -3.408538122396     -2.327643337095
C    -2.174477070469     -1.802018882940     -0.812466552033
H    -2.527717163892     -0.793285080928     -0.606292622778
C    -3.043485864513     -2.815962038250     -0.888912248276
H    -2.713180551817     -3.835214972715     -1.064965684600
H    -4.109965866621     -2.661398079359     -0.759368811169
Options
GauMem=200
GauProc=2
NOFC
EQOnly
KeepSCPath
TrafficVolCheck                      ← 「交通量」を追跡する
TimeScale= 3600                      ← 実験の反応時間より少し長い時間を指定する
SIML_tLargest= 330               ← ターゲット原子数の10~30倍程度の値を指定する
SIML_pLatest= 330
Siml_temperature= 500.0 600.0 700.0    ← 実験の反応温度より少し高い温度まで指定する(3種類のシミュレーション温度を指定できる)
Rtemperature= 10000.0
Add Interaction
target=1-4,7,10,12,16,19,21,23
Gamma=300
END

得られている探索結果を読み込んでRCMC法によるポピュレーション解析を行う

%infile=test_SC    ← 読み込ませる反応経路ネットワークを指定(指定できるのは1つのネットワークのみ)
# RCMC/B3LYP/6-31G   ← 形式的に指定しているだけであり、このレベルの計算が行われる訳ではない


0 1
C    -0.095991665990     -0.805920219678     -1.909605178596
C     1.003042582222      0.007791291679     -1.162100889303
C     0.054683679530     -1.815448255552      0.414734148105
C    -0.671790672469     -1.925880237105     -0.972941136035
H    -0.891854411127     -0.132592282669     -2.246101515377
H     0.335331933023     -1.284696563208     -2.797262382989
C     1.579744825132     -2.068588797031      0.188069891075
H     2.084655140290     -2.028382746599      1.159450088938
H     1.713566709445     -3.071315815606     -0.222791688765
C     0.393623953298      0.547757893549      0.118764128484
H     0.385994343773      1.610653441103      0.341265889646
C    -0.109898022312     -0.398237424783      0.929485860235
H    -0.574516982573     -0.196215925027      1.889560359180
H     1.386499666732      0.804627363119     -1.807109576007
H    -0.367877013576     -2.564591361828      1.088216420802
C     2.146400520222     -0.985909265091     -0.776567556415
H     2.540375003024     -1.448643202530     -1.690084899123
H     2.969369577404     -0.433495751899     -0.309933564380
O    -0.320111152018     -3.257151628977     -1.478464255539
H    -0.784041061920     -3.408538122396     -2.327643337095
C    -2.174477070469     -1.802018882940     -0.812466552033
H    -2.527717163892     -0.793285080928     -0.606292622778
C    -3.043485864513     -2.815962038250     -0.888912248276
H    -2.713180551817     -3.835214972715     -1.064965684600
H    -4.109965866621     -2.661398079359     -0.759368811169
Options
GauMem=200
GauProc=1
TimeScale= 3600.0   ← シミュレーションする反応時間の上限を指定(指数表記でもよい)
Siml_temperature= 500.0 600.0 700.0 ← シミュレーションする反応温度を指定(1個以上3個以下の実数値を指定できる)
MinimumPath = 1-7   ← EQ1とEQ7を結ぶ経路のうち速度論的に最も有利なものを、指定したTimeScale、Siml_temperatureの条件下で抽出する

【あるEQに初期ポピュレーションを割り振り、0.01秒以内におけるポピュレーション(生成量の分布)の時間発展を調べるJOB】

%infile=test_SC
# RCMC/B3LYP/6-31G


0 1
O    -0.451057223038      0.916629960219     -0.086115521794
C     0.319243855935     -0.242111107388     -0.312380033473
H     1.738559015783     -0.162055801517      1.157489204955
H    -0.164138797231     -1.131253174548      0.134081105958
N     1.677430332645     -0.204927494061      0.142408921831
H     0.318352930375     -0.379059111051     -1.403803646935
H     2.161865832431      0.608945233710     -0.230443078321
H    -0.609505539254      0.996099588526      0.859317714152
Options
GauMem=200
GauProc=1
TimeScale=1e-2
Siml_temperature=500.0 600.0 700.0
TrafficVolCheck
SIML_InitEQs = 0-4,6,9   ← 初期ポピュレーションを割り振るEQを指定
%infile=test_Si2H2
# RePATH/PM7 ← RePATHのJOBTypeでRCMCのシミュレーションを行う場合はRCMCOnlyをオプションに付ける


0 1
Si   -0.403409716729      1.099356361220     -0.473940196414
Si    0.114779774398      2.895842622141      0.422099460813
H    -0.131162100728      0.705804358822     -1.881784045944
H    -0.157679342213      3.288319017051      1.830215007973
Options
GauMem=200
GauProc=1
RCMCOnly
TimeScale=1e0
Siml_temperature=300.0 500.0
TrafficVolCheck
Siml_initEQs = 0
SIML_VibEntropyOFF ← (Option)自由エネルギーを用いたRCMCシミュレーションにおいて振動エントロピーの効果を除去する(基準振動モードの固有値が低精度の場合などに用いる)

反応時間・反応温度と活性化障壁の関係を示す曲面

・反応経路ネットワークの可視化

・既存の探索結果を読み込んでさらに探索を行う場合

・活性化障壁をできるだけ早く見積もりたい場合

・FrozenAtomsの拘束を解いてinfileするオプション「ReadCommonGeometry」

%link=siesta-3.1
%infile=xxx_PTn.log
# LUP


0 1
(ここに基質分子と拘束を解く表面原子の座標を記載する)①
FrozenAtoms
(ここに新たに追加するFrozen Atoms(必要に応じてTVも)の座標を記載する)②
Options
ReadCommonGeometry
(ここにxxx_PTn.logに記載されていない、新しく追加した原子の座標を記載する;②に記載したFrozen Atomsの原子は含まない)③
END
...(以下のオプションは任意なので省略)...

・ポテンシャル面の交差探索について

F(Q) = 1/2 * (Ex(Q) + Ey(Q)) + (Ex(Q) − Ey(Q))^2 * 1 / α

ここでαはF(Q)を最小化する操作に利用される定数であり、エネルギー差が閾値を下回るまで漸減されていく。αのデフォルトの初期値は 30 kJ/mol である。

(上式のLaTeXコマンド)

\begin{equation}
F(\mathbf{Q})=\frac{1}{2}\left(E^{\mathrm{X}}(\mathbf{Q})+E^{\mathrm{Y}}(\mathbf{Q})\right)+\frac{\left(E^{\mathrm{X}}(\mathbf{Q})-E^{\mathrm{Y}}(\mathbf{Q})\right)^{2}}{\alpha}
\end{equation}
 # MIN/UB3LYP/6-31+G**
  
 0 1
 C          0.000000000000         -0.000000000000         -0.530465924142
 O         -0.000000000000          0.000000000000          0.685412425504
 H          0.000000000000          0.942437931730         -1.129067750681
 H         -0.000000000000         -0.942437931730         -1.129067750681
 Options
 GauProc=4
 GauMem=200
 OptX=(Seam)
 Second Input
 UB3LYP/6-31+G**
 0 3
 END
 MaxStepSize = 0.1
 Stable=Opt

・ModelFについて(Opt=Xでない場合)

ここでαは非断熱(Diabatic)カップリングの大きさに関連する定数で、αのデフォルト値は 30 kJ/mol である。

Avoiding Model Function(AMF)の数式とパラメータ

・SC-AFIRによる探索の設定に関する考察

(例)特に何の工夫もない機械的な反応経路探索のインプット;電子状態計算ソフトウェアは Gaussian 16 を使用;CNH5O_SCAFIR.com

# SC-AFIR/wB97XD/def2SVP


0 1
O         -1.387706449882          0.457710449716         -0.000152791229
C         -0.799277342210         -0.587346468200         -0.000053857794
H         -0.505806753819         -1.115755497088         -0.938138497178
H         -0.528590206390         -1.127926725615          0.937971866055
N          1.875936611222          0.071774791425          0.001242991043
H          2.534394440611         -0.118094309179         -0.752821033309
H          2.415477595949          0.060987226287          0.865598903294
H          1.560371343943          1.032761998638         -0.126815608580
Options
GauMem=200
GauProc=4
DownDC=12
EQOnly
KeepLUPPaths
Rtemperature= 10000.0
Add Interaction
target=1-8
gamma=400
END

このインプットを用い、4コア×10並列で計算を実施したところ、1053868点で電子状態計算が行われ、そのうち35957点でヘシアンの計算が行われた。要した計算時間は 532936.0 秒(6日と少し)で、115個のEQ、4013本の経路(PT)が得られた。探索の最中、得られたAFIR経路に対してはLUP計算(AFIR経路のエネルギー緩和)を行っているが、EQOnlyを付けているのでTSまでの最適化(+その後のIRC計算)は省いている。

得られた115個のEQは結合様式別に以下の14種類の異性体に分類された。探索において得られたEQの順にラベリングしている。横の文字列はSMILES表記。

1 C=O.N ← 初期構造(ホルムアルデヒド + アンモニア;最安定EQから 56.2 kJ/mol 程度不安定)
2 [CH]O.N
3 NCO ← 主生成物(メタノールアミン;最安定EQが属するstate)
4 [NH3][CH]O
5 NC=O.[H][H] ← 副生成物①(ホルムアミド + H2;最安定EQから 27.2 kJ/mol 程度不安定;enol体も含む)
6 C=N.O ← 副生成物②(メタンイミン + H2O;最安定EQから 62.7 kJ/mol 程度不安定)
7 OC=N.[H][H]
8 OC=N.[H][H]
9 [CH]N.O
10 [C]=N.O.[H][H]
11 C#N.O.[H][H]
12 [C]=O.N.[H][H] ← 副生成物③(CO + NH3 + H2O;最安定EQから 113.1 kJ/mol 程度不安定)
13 N[C]O.[H][H]
14 N=C=O.[H][H].[H][H]

全く終了条件を課していない割には、ある程度の計算コストで探索が完了しており、かつ、広い範囲を十分に探索できたと言える。
※探索結果はGitHubで公開している → https://github.com/h-nabata/GRRM/tree/main/CNH5O

(例)基質を凝集させる人工力(UniversalForce)を課したPES上での探索;電子状態計算ソフトウェアは Gaussian 16 を使用;CNH5O_uSCAFIR.com

# SC-AFIR/wB97XD/def2SVP


0 1
O         -1.387706449882          0.457710449716         -0.000152791229
C         -0.799277342210         -0.587346468200         -0.000053857794
H         -0.505806753819         -1.115755497088         -0.938138497178
H         -0.528590206390         -1.127926725615          0.937971866055
N          1.875936611222          0.071774791425          0.001242991043
H          2.534394440611         -0.118094309179         -0.752821033309
H          2.415477595949          0.060987226287          0.865598903294
H          1.560371343943          1.032761998638         -0.126815608580
Options
GauMem=200
GauProc=4
DownDC=12
EQOnly
KeepLUPPaths
Rtemperature= 10000.0
Add Interaction
target=1-8
gamma=400
END
AddUniversalForce=100
UniversalForceTarget=1-8
ReadBareEnergy

4コア×10並列で計算を実施したところ、xxx点で電子状態計算が行われ、そのうちxxx点でヘシアンの計算が行われた。要した計算時間は xxx秒(xxx)で、xxx個のEQ、xxx本の経路(PT)が得られた。探索の最中、得られたAFIR経路に対してはLUP計算(AFIR経路のエネルギー緩和)を行っているが、EQOnlyを付けているのでTSまでの最適化(+その後のIRC計算)は省いている。ただしこのLUP計算は「基質を凝集させる人工力を課したPES」上で行われていることに注意(ReadBareEnergyは近似EQにおける真のエネルギーのみ参照するOption)。

この探索で得られた18個のEQを先ほど同様に結合様式別に分類すると以下のようになった。

%%% 計算中 %%%

先ほどのJOBに比べて劇的に計算時間が短縮されているにもかかわらず、反応経路ネットワークのうち主生成物や主要な副生成物のEQ、及びそれらに至る経路が得られていることが分かる。この計算結果は改変されたPES上のものなので、真のエネルギーを得るにはUniversalForceを除いてRePATH計算ないしはLUP計算を行う必要がある。ただ、化学的に重要な反応経路を素早く特定する分には、こちらのインプットの方が優秀である。

(例)RCMC法による速度論シミュレーションを併用したPES上での探索;電子状態計算ソフトウェアは Gaussian 16 を使用;CNH5O_simSCAFIR.com

# SC-AFIR/wB97XD/def2SVP


0 1
O         -1.387706449882          0.457710449716         -0.000152791229
C         -0.799277342210         -0.587346468200         -0.000053857794
H         -0.505806753819         -1.115755497088         -0.938138497178
H         -0.528590206390         -1.127926725615          0.937971866055
N          1.875936611222          0.071774791425          0.001242991043
H          2.534394440611         -0.118094309179         -0.752821033309
H          2.415477595949          0.060987226287          0.865598903294
H          1.560371343943          1.032761998638         -0.126815608580
Options
GauMem=200
GauProc=4
DownDC=12
EQOnly
KeepLUPPaths
TrafficVolCheck
TimeScale= 3600
SIML_tLargest= 240
SIML_pLatest= 240
Siml_temperature= 300.0 400.0 500.0
Rtemperature= 10000.0
Add Interaction
target=1-8
gamma=500
END
AddUniversalForce=100
UniversalForceTarget=1-8
ReadBareEnergy

4コア×10並列で計算を実施したところ、62936点で電子状態計算が行われ、そのうち2989点でヘシアンの計算が行われた。要した計算時間は 36187.0 秒(10時間)で、18個のEQ、279本の経路(PT)が得られた。探索の最中、得られたAFIR経路に対してはLUP計算(AFIR経路のエネルギー緩和)を行っているが、EQOnlyを付けているのでTSまでの最適化(+その後のIRC計算)は省いている。ただしこのLUP計算は「基質を凝集させる人工力を課したPES」上で行われていることに注意(ReadBareEnergyは近似EQにおける真のエネルギーのみ参照するOption)。

※このインプットでは速度論ナビゲーションを併用している(解離チャネル以外の領域ではPESが大幅には変化していないと仮定している)。SIML_tLargestとSIML_pLatestにはターゲット原子の30倍の値を指定している。ここでKeepLUPPathsを付けているのは、AFIR経路をしっかり緩和することで速度論ナビゲーションが正常に機能することを期待したためである。KeepLUPPathsではなくKeepSCPathsを指定するとLUP計算を実行しないため計算時間は短縮されるが、真の障壁よりエネルギーの高いPTを使ってRCMCシミュレーションが実行されることになり、必要以上に探索領域がカットされる恐れがある。

この探索で得られた18個のEQを先ほど同様に結合様式別に分類すると以下のようになった。

1 C=O.N ← 初期構造(ホルムアルデヒド + アンモニア)
2 [CH]O.N
3 NCO ← 主生成物(メタノールアミン)
4 C=N.O ← 副生成物②(メタンイミン + H2O)
5 [C]=O.N.[H][H] ← 副生成物③(CO + NH3 + H2O)
6 [CH2][NH].O
7 NC=O.[H][H] ← 副生成物①(ホルムアミド + H2)

先ほどのJOBに比べて劇的に計算時間が短縮されているにもかかわらず、反応経路ネットワークのうち主生成物や主要な副生成物のEQ、及びそれらに至る経路が得られていることが分かる。この計算結果は改変されたPES上のものなので、真のエネルギーを得るにはUniversalForceを除いてRePATH計算ないしはLUP計算を行う必要がある。ただ、化学的に重要な反応経路を素早く特定する分には、こちらのインプットの方が優秀である。

なお、UniversalForceを除去したRePATH計算を4コア×10並列で実施したところ、41088点で電子状態計算が行われ、そのうち2623点でヘシアンの計算が行われた。要した計算時間は 24747.0 秒(7時間弱)で、22個のEQ、265本の経路(PT)が得られた。EQ数がSCの結果より増えているのは凝集させる人工力が除かれたことで取り得る分子の配向にバリエーションが生じたためで、新しい結合様式の異性体が得られた訳ではない。SC-AFIRによる探索と合わせても総計算時間は1日未満で済んでおり、しかも主要な反応経路はしっかり得られている。このように2分子以上の反応経路探索ではUniversalForceを課すことで計算コストを大きく低減することができる。

・Issues on input chemical compositions in GRRM calculations

Oxy-Cope転位を含む系の反応経路ネットワーク

【その他のメモ】

・《応急処置》分子研(IMS;自然科学研究機構 岡崎共通研究施設 計算科学研究センター)の計算機でGRRMとSIESTA(ver 4.1.5)を接続する際のセットアップ作業

LD_LIBRARY_PATH=$LD_LIBRARY_PATH:/lustre/system/apl/lx/siesta415/exts/lib

の行を追加する(export LD_LIBRARY_PATHも忘れずに;必要に応じてsourceしてprintenvコマンドで確かめる)

lfcpopt = .TRUE.
fcp_mu = -0.36325
assume_isolaed='esm'
esm_bc='bc2'

などと指定し、 fcp_mu の値を与える必要がある。これはフェルミ準位(単位はRy.)に電位差に相当する値をRy.単位で加えた値を指定する(つまり、1度電位差ゼロの条件で電極のみで1点計算しておく必要がある)。例えば、ある金属表面のフェルミ準位が -0.40000 Ry. のとき、+0.5 V(vs 参照電極)を印加する場合は 0.5/13.60569 = 0.036749 (Ry.) を加えて fcp_mu = -0.36325 と指定する。

※また、このとき、[JOBNAME].in の中に &ions のセクションを形式的に追加する必要があるので注意。内容としては

&ions
/

などと書いておけばよい。これが無いとpwSCF内部で予期せぬエラーが発生する。

・分子研の計算機における並列計算投入用シェルスクリプトについて

#!/bin/tcsh -f#PBS -l select=1:ncpus=40:mpiprocs=4:ompthreads=10:jobtype=small#PBS -l walltime=144:0:0
set pnum=10
set JOBTIME=140
set GRRM=/lustre/home/users/${USER}/GRRM
set WORK=/work/users/${USER}/${input}.$$


...(以下略)...cp     ${GRRM}/GRRMp    ${WORK} 
cp     ${GRRM}/GRRM.out ${WORK} 


cd     ${WORK}
./GRRMp ${input} -p${pnum} -h${JOBTIME}

・GRRMのインプットファイル(.com)にコメントを残す

・GRRMに関する数式のLaTeXコマンド

・GRRMに関する論文について

・GRRMのJob typeとナンバー

  1. FREQ

  2. MIN

  3. SADDLE

  4. IRC

  5. 2PSHS

  6. SCW

  7. ADDF

  8. ReStruct

  9. ReEnergy

  10. ---

  11. ---

  12. MC-AFIR

  13. LUP

  14. RePath

  15. ---

  16. SC-AFIR

  17. DS-AFIR

  18. ---

  19. RCMC

※"ADDF" はかつて "GRRM" という名称のJob typeだった。

なお、反応経路探索手法としての「GRRM法」という手法や名称は現在公式には存在せず、使用は推奨されない。2023年現在、GRRMプログラムに実装されている反応経路探索手法には「ADDF法」と「AFIR法」の2つがある。これらを駆使して未知の化学反応を研究する方法論を 「Global Reaction Route Mapping strategy」、「GRRM戦略」などと呼ぶ。(参考文献:https://doi.org/10.1039/C3CP44063J )

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