初回のセットアップ:tblite / g-xTB / UMAを選ぶ
bridge.pyをダウンロードし、使いたいエンジンの手順で起動してください。tblite / g-xTBはPython 3.10以上、UMAはPython 3.12の専用環境を推奨します。
- tblite:GFN2-xTB(既定)、GFN1-xTB、IPEA1-xTBを利用します。このアプリでは非周期系と固定セルの周期系に対応します。
- g-xTB:公式のg-xTB対応実行ファイルを別途用意します。このアプリでは非周期系に対応します。tbliteのPythonパッケージは不要です。
- UMA:fairchem-coreの学習済みモデルをローカルで実行します。この接続は非周期分子用のomolタスクです。CPU / CUDAを選べます。
通常配布版tblite 0.7.0はg-xTBに対応していません(2026年10月15日確認)。g-xTBを使いたい場合は、下の「g-xTBを使う」を選んでください。両方をインストールする必要はありません。
tbliteを使う(GFN2-xTB / GFN1-xTB / IPEA1-xTB)
Windows(Miniforgeを使用):MiniforgeのWindows x86_64版をインストールし、スタートメニューの「Miniforge Prompt」で次を実行します。
conda create -n molecule-studio -c conda-forge --override-channels python=3.12 numpy ase psutil "tblite-python>=0.4,<1"
conda activate molecule-studio
python -c "import numpy, ase, psutil; from tblite.interface import Calculator; print('OK')"
OKが表示されたら、bridge.pyの保存先へ移動して起動します。パスは実際の保存先に置き換えてください。
cd /d "C:\Users\ユーザー名\Downloads"
python bridge.py --engine tblite --allow-origin https://h-nabata.github.io
次回以降もMiniforge Promptで conda activate molecule-studio を実行してから起動します。Windowsのpipで対応wheelが見つからない場合はソースビルドになり、Fortranコンパイラがないと「Unknown compiler(s)」で失敗します。その場合は上記のconda環境を使ってください。condaのPython APIのパッケージ名は tblite-python です。
WSL / Linux / macOS:bridge.pyの保存先で専用の仮想環境を作ります。
python3 -m venv .venv
source .venv/bin/activate
python -m pip install "numpy>=1.24,<3" "ase>=3.23,<4" "psutil>=5.9,<8"
python -m pip install --only-binary=:all: "tblite>=0.4,<1"
python bridge.py --engine tblite --allow-origin https://h-nabata.github.io
対応wheelがない場合は、ソースビルドを行わずに停止します。その場合もMiniforgeで上記のconda環境を作成できます。GFN1-xTBを使う場合は起動コマンドに --method GFN1-xTB、IPEA1-xTBなら --method IPEA1-xTB を追加します。
g-xTBを使う(公式の対応実行ファイルを指定)
公式g-xTBの配布フォルダーからOSに対応するファイルを取得し、展開してください。このアプリは xtb --gxtb --grad に対応した版を使います。通常版のxtbや、旧版の独立したgxtb実行ファイルとは区別してください。
Windows:Python 3.10以上を用意し、コマンドプロンプトで次を実行します。bridge.pyの保存先と、展開したxtb.exeがあるbinフォルダーを実際のパスに置き換えてください。付属DLLも配布時の配置を保ちます。
cd /d "C:\Users\ユーザー名\Downloads"
python -m venv .venv-gxtb
.venv-gxtb\Scripts\python.exe -m pip install "numpy>=1.24,<3" "ase>=3.23,<4" "psutil>=5.9,<8"
set "PATH=C:\path\to\g-xtb\bin;%PATH%"
"C:\path\to\g-xtb\bin\xtb.exe" --help
.venv-gxtb\Scripts\python.exe bridge.py --engine gxtb --binary "C:\path\to\g-xtb\bin\xtb.exe" --allow-origin https://h-nabata.github.io
--helpで起動でき、--gxtbと--gradが使える版であることを確認します。上の set は現在のコマンドプロンプトだけに適用されます。次回起動時もPATHを設定してから最後のコマンドを実行してください。
WSL / Linux / macOS:対応する公式バイナリを展開し、bridge.pyの保存先で次を実行します。macOSでは付属ライブラリも配置し、公式READMEの案内に従ってください。
python3 -m venv .venv-gxtb
source .venv-gxtb/bin/activate
python -m pip install "numpy>=1.24,<3" "ase>=3.23,<4" "psutil>=5.9,<8"
/absolute/path/to/xtb --help
python bridge.py --engine gxtb --binary /absolute/path/to/xtb --allow-origin https://h-nabata.github.io
tblite用の環境を既に作っている場合は、そのPython環境を再利用してg-xTB対応実行ファイルを指定することもできます。起動時の --engine gxtb で使用するエンジンが決まります。
UMAを使う(fairchem-core / 分子用omol)
Hugging FaceのUMAモデルで利用申請・承認を済ませ、下記を実行してください。Linux / WSL2のPython 3.12環境を推奨します。g-xTB用の実行ファイルは使いません。
python3.12 -m venv .venv-uma
source .venv-uma/bin/activate
python -m pip install --upgrade pip
python -m pip install "fairchem-core>=2.23,<3" "psutil>=5.9,<8" huggingface_hub
hf auth login
python bridge.py --engine uma --uma-model uma-s-1p2p1 --uma-device cpu --uma-precision float64 --allow-origin https://h-nabata.github.io
対応するNVIDIA GPUとPyTorch環境では --uma-device cuda を指定します。Hugging Faceの認証トークンは端末でのみ使用してください。このページには起動後に表示されるbridgeの接続Tokenを入力します。
モデル・精度・初回読み込み
モデルは uma-s-1p2p1(既定)、uma-s-1p2、uma-s-1p1、uma-m-1p1 から選べます。既定はfloat64・TF32無効。--uma-precision float32 はメモリを節約しますが、TS・微小変位の振動解析ではfloat64を推奨します。電荷と多重度はページで指定します。GFN法・SCF設定・実行ファイルの指定は不要です。エネルギーは選択したモデルのomol基準なので、tbliteやg-xTBの値と直接比較しないでください。
初回の計算で重みをダウンロードします。同じモデル・デバイスの連続計算では、重みをメモリに保持して再利用します。設定の変更時は読み直します。「計算履歴・キュー」から常駐モデルを解放できます。初回取得に時間がかかる場合は --job-timeout 7200 などで上限を延長できます。モデルのキャッシュは通常 ~/.cache/fairchem に残ります。分子の座標は外部へ送信しません。公式導入手順
UMAにAnySolvの溶媒補正を追加する
UMAと同じPython環境へ追加します。軽量なCompactモデルは同梱されています。
python -m pip install "anysolv[ase,hub]==0.1.0"
python bridge.py --engine uma --uma-device cuda:0 --anysolv --anysolv-device cuda:1 --allow-origin https://h-nabata.github.io
GPU番号は利用できるものに変更してください。CPUなら両方を cpu にします。接続後「AnySolvで溶媒補正する」をオンにし、溶媒・モデル・各デバイスを選んで計算します。既定は補正オフです。
MoEモデルを使う場合は配布元で利用承認を取得し、端末で認証・ダウンロードします。
hf auth login
hf download antonknee/anysolv model_moe.pt --local-dir ./anysolv-weights
python bridge.py --engine uma --uma-device cuda:0 --anysolv --anysolv-model model_moe --anysolv-checkpoint /absolute/path/to/anysolv-weights/model_moe.pt --anysolv-device cuda:1 --allow-origin https://h-nabata.github.io
溶媒補正を含む物理エネルギー・力を使います。AFIR人工項は別に加算します。GPUごとにモデルを保持し、終了・中止時に解放します。精度は両モデル共通で --uma-precision float64 が既定です。
SellaでTS最適化・IRCを使う場合(追加パッケージ)
bridge.pyを実行する同じPython環境で、次を実行してください。振動解析のみならSellaは不要で、導入済みのASEを使います。
python -m pip install --only-binary=:all: "sella>=2.6,<3"
Python 3.12・Sella 2.6で確認しています。対応するwheelが見つからない場合はPython 3.12の環境を作成してください。Sellaはbridgeと同じPython環境に追加します。エネルギー・力は接続中のtblite / g-xTB / UMAで計算します。導入後はbridgeを再起動し、再接続してください。
起動時に表示されるURLとTokenを下欄に入力します。端末は利用中開いたままにしてください。ブラウザが要求した場合は、このサイトからのローカルネットワーク接続を許可します。WSLではサービスも計算エンジンと同じWSL環境で起動します。
導入・周期系・計算方式の詳しい説明